「絶対に逃げない。途中でやめる事をやめる」 株式会社アジャスト 取締役社長COO 青木大輔

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interview01301株式会社アジャスト
取締役社長COO 青木大輔

1975年8月12日生まれ
福井県福井市出身。大学に通うとともにCG制作などの技術を習得。ゲームメーカー、大手ウェブプロダクションを経て、現在の株式会社アジャストへ入社。デザイナーから始まり、現在は取締役社長COOとして活躍中。

 


COOまでの道のり

 大学時代に大手ゲームメーカーでCG制作などのアルバイトをしていました。ゲーム会社に就職するのが夢でしたので、受かったときは嬉しかったですね。

 当時、平行してウェブサイトを企画したり運営していまして、そこに自作のCGを載せて知人に感想をいただいたりしていました。いよいよ入社試験という時に、違った職種で就職がしたくなり、先述のアルバイトをやめました。結果バイト先も含めて全てのゲーム会社の試験に落ちてしまいました。 

 そんななかで、たまたまNECから来ていたWebデザイナーの求職に応募したのが、この世界に入るきっかけです。当時はウェブの黎明期で、色々な人が試行錯誤したり意見をぶつけたりして常に新しい事にチャレンジしていましたね。私自身も外部のコミュニティなどに積極的に参加したりしていました。外部の人たちと触れ合う中で「自分の実力はどのくらいか?」「試してみたい」という気持ちになり、2年ほどでNECはやめました。 

 その後、ウェブプロダクションへ入社しましたが、仕事のレベルも、質も、量も想像以上でついていけずにすぐやめてしまいました。その後、現職(アジャスト)の役員に誘われたことがきっかけでアジャストに就職しました。最初はウェブデザイナーから始めて、今年で13、14年くらいです。

 入社当時、アジャストはまだまだ小さな会社で自分達が思うような仕事もできないし、環境も良くなかったですね。しかし、ここをまたやめたらろくな事にならないな、という風には感じていました。 

 当然、環境の悪いところにいたい人なんていませんよね?だから働き続けるには自分で良くするしかないと。そう決めてからは現会長の渡邊や僕を呼んでくれた役員が言うことに対して単純にノーと言うことはほとんどせず、対案をぶつけるようにしました。こうしたら良いんじゃないかと提案するようにしたんです。

 まずは自分が勤めたい会社にしなければと、まずはそこからでした。 

 「良くないな」と思ったところは一つ一つ改善をしてきました。それが段々結果に繋がったので、渡邊(会長)も認めてくれたんだと思います。

 改善すべき問題に目を向けて変えようという人間が自分以外にいなかったように思うので、ある意味異質だったと思います。そうこうしているうちに少しずつ会社も大きくなって行きました。

 実際数字に差が出てきたりすると、周りの人間も僕のやり方がいいと思ったんじゃないでしょうか。会長から「もう少し何人か束ねてみろ」と言われ部長になり、事業部長になり、役員になり、いつの間にか社長になっていたという感じですね。もうノーと言わないと決めていたので、わかりましたと。就任は2008年度です。その前に2年取締役をやっていました。

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CEOとの役割の違い

 会長はかなり懐が大きくて、ものすごく優しい人です。強面なんですけど(笑)。人を責めないというか結果に対してあまりシビアには言いません。僕はその分どちらかというと小うるさく指摘をするタイプですね。私は全般的に現場のオペレーションを見ています。それでCOOという感じですね。CEOである会長は全体的なキャッシュフローを見たり、全体的な事業統括をしています。 

 COOとして何かをしようというのはありませんが、最近は組織作りもある程度の所まで来ることができたと思っていますので、社長になった2、3年前から自分でやりたい・面白いと思ったものを企画して進めています。会社に新しい利益を生み出すものと自分の好きな事、その二つが合えばやってみるという感じです。失敗したものも多いですが結果的に利益になっているものも結構あります。つまらないと思ったら続かないので、面白いと思うことをやるようにしています。ここ1年くらいは動画配信のプラットフォームを作っていて、それがメインとなっています。ソーシャルキャストというパッケージです。会長も同じで、アカデミーにチャレンジしたのが会長ですね。

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COOを目指す方へ

 僕の経験からいえるのはただ一つ、逃げないことです。辞めて辞めてどんどん自分のビジョンから遠ざかって行った僕の経験が物語っていますので、もうやめるのをやめておこうという決断をしました。 

 今の若い人達は大変なことが増えていると思いますよ。

 与えられた情報の中で動けばいいということではなくなっていて、しかも情報が沢山ありますよね。そこから自分で情報を取捨選択する必要があったり、仕事のスピードも上がっていますよね。僕が新人だった頃に比べても、ものすごくスピードや量が増えていると思います。

 それと誰しも、本当は「大きい企業に入りたかったけど中小企業にしか入れなかった」とか、色々自分で思う所はあると思うんです。100%満足な就職が出来る人もいるのかもしれませんけどね。

 でも実はそれは関係ないというか、結局自分でどうするかというだけの事なんですね。大きい企業に勤めたいなら自分で大きい企業にすればいいし、給料がたくさん欲しいなら自分で売り上げを出せば良い。極端な話ですが、そういう事ですよね。何にも考えずに、言われたままやるのが良くないんです。厳しいと思いますが、何か違うと思うなら逃げずに自分の周りの小さな環境から自分の理想としている所に少しずつ変えて行く努力が大事だと思います。理想の環境なんてすぐ手に入るはずがないんです。紆余曲折ありましたので、そう思うんですよね。自分の決断が全てで、他人のせいにしてはいけないと思います。COOになって仕事は変わりましたが、気持ちというか仕事はこうするべきとか、こういう風にお客様と接しようという根本の部分は変えていません。

 それから、辻褄が合わなくなりますが、死ぬほど辛くて自分にとって絶対マイナスだと客観的に見てもそう思うなら、逃げていいとも思います。やめちゃっても良いです。

 最終的には自分が幸せになるのが一番大事だと思いますし、心は豊かでいた方がいいと思います。仕事も楽しくなかったら仕事じゃないと思いますしね。

 

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