「COOへの近道は、常に経営者意識をもって行動すること」 株式会社バンク・オブ・イノベーション 取締役COO 小梨明人

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interview01501株式会社バンク・オブ・イノベーション
取締役COO 小梨明人

1982年11月27日生まれ
横浜国立大学経済学部を経て、ジェイブレインに新卒入社。経営コンサルタント、ファイナンス支援などを担当し、MVPにも輝く。その後支援先のスパイシーソフトへ入社。HR部長、執行役員を経験し、2013年1月からバンク・オブ・イノベーション取締役COOに就任。

 


COOまでの道のり

 新卒でジェイブレインという経営コンサルティングを行っているベンチャー企業に就職し、当初はエグゼクティブサーチ事業で、経営者のヘッドハンティング等を行っていました。入社3ヵ月で社内ギネスやMVP獲得などの結果を出し、4ヶ月目からは予防医療ベンチャーへの出資が決まっていた為、出向という形で執行役員と私と同僚の3名で出資先へ行く事になりました。 

 当時、創業間もない事もあり、幅広い業務をく経験しましたね。開業ドクター向けの予防医療に関するセミナーの講師を週1ペースで務め、サービスを売る営業も行いました。営業成績は首位に躍り出て私自身好調だったものの、残念なことにジェイブレインが解散してしまった為、その後は個人で仕事を受けるようになり、東証一部上場企業の新人研修やベンチャー企業への採用支援など、さらに幅広い業務に携わることになりました。

 その中で、第二創業期を迎えていたスパイシーソフトからのオファーを受け採用全般を任されたのですが、当時採用は好調とはいえず、正直、事業拡大とは程遠い状態でしたね。ですが、私がジョインしてから3ヶ月で約30名の採用に成功し、HR部門を立上げ、執行役員に任命されました。当時のCTOやCFOも私が採用したので、そのあたりも評価いただいたようです。

 そして、次の課題は上場でしたが経営方針の変更等もあり、3年後にスパイシーソフトの顧問として残る傍ら、自ら事業を始めようとしていた時にバンク・オブ・イノベーションのCEOである樋口に出会いました。

 樋口に出会った時に「社長はどんな会社を目指してるんですか?」と質問したところ、「革新的プロダクトでイノベーションを起こし続けたい」「時価総額1兆円規模の会社にしたい」と、彼の夢や野望を意気軒昂に語り始めたんです。色々話しをしていく中で、樋口のもの作りに対するクオリティへのこだわりが、日頃主張している通り言行一致している点と、ファイナンスやプログラミング、業界の知識が豊富なCFO田中が、会社を経営するという点で理想的なバランスが保たれていると感じました。

 その一方で、業績へのコミット感や中長期の戦略作りと実行といった組織作りやブランディング、人事制度、採用・育成など今後の事業拡大に必要な部分が欠けていた為、それらを巻き取る形で私がCOOとして参画する事になりました。

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CEOとの役割の違い 

 CEOとCOOだけで経営を見るスタイルはもう古いと思うんですよ。組織として戦っていくべきだと思っています。 予防医療ベンチャーでは実績のある社長で相当熱い思いを持った人だったので影響力は絶大でしたが、ビジネス面ではうまくいかない面も見てきました。

 その両極を学んだ経験があるからこそ、今はとても良いバランスで役割分担ができていると思っています。よく会社は「ヒト」・「モノ」・「カネ」というじゃないですか。私はその「ヒト」の部分を見ています。「モノ」はCEOである樋口が、「カネ」はCFOである田中が見ています。「ヒト」は人事領域もそうですが、事業部門の数字責任を追うという役割も含んでいるのでCOOとして私が担っています。

 その役割の一つとして毎週、事業部門のマネージャーと打合せを行い、収益のフィードバックやKPIの確認、リソースの管理といった経営的な視点を養う教育をしています。事業が拡大路線にあり上場準備に入ってますが、上場する頃には2000人以上の組織になっている予定なので、最低50人以上の経営視点を持った人材を育てる必要があります。

 バンク・オブ・イノベーションでは私が半年くらいかけてマネジメント層の指導をしてきましたが、少しずつ経営視点が身につき始め、自ら部門をマネジメントできるようになってきていると実感してますよ。

 経営においては、これまではCEOとCOOの2方向での見方しかありませんでしたが、三位一体という言葉があるように3方向で議論ができるようになった事により、意思決定がより的確に、かつ早くなり、ひいては事業拡大ができる基盤を作りができたと思っています。

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経営陣を目指す若者へ 

 重要なことは、どん役職であれどんな立場であれ、常に当事者意識を持つ事だと思いますね。 

 たとえアルバイトでも経営者と一緒の事を考えて行動すれば、会社を回す事はできますし。実際私も大学生の時、サービス業の店舗でアルバイトをしていましたが、売上が良くなるにはどうしたらいいか?新しいこんな施策はどうか?と常に考えていました。結果、店舗の売上は3倍になり、複数店舗を任されるまでになりました。

 要するに、経営者意識をもつと局所に捉われず常に大局を見るクセが自然とついてくると思います。当然、実績や人望も経営者には欠かせません。現状に満足するのではなく、常に「何をしたら利益があがるか?」を考え、実行に移してみてください。

 そして、あきらめずに常に挑戦を継続させることですね。

 

 

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