『怒らない経営』
正しい価値観に基づいた経営を実践する、中食業界の覇者!

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 経常利益・昨年比159%   当期純利益・昨対比321%

2014.04.04

 宅配寿司『銀のさら』、宅配釜飯『釜寅』、それぞれの業界においてトップの売り上げシェアを誇る株式会社ライドオン・エクスプレス。「怒らない経営」という独自のビジネススタイルを持ち、中食業界のみならず他業界にわたりその存在感は目を引く。
 自社ブランドだけでなく、人気飲食店の料理をお客様の元に直接配達する新デリバリーサービスや、フードデリバリーのノウハウを生かしたビジネスモデルの展開を革新的に続けるのが宅配の覇者ともいわれている、代表取締役社長兼CEO 江見朗氏だ。今回は、江見氏がその人生で築き上げてきた『怒らない経営』の真に迫った。


■商売はすべて“きれいごと”。江見社長が掲げる夢とそれを実現するための姿勢とは?

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江見:敢えて挙げるとすれば「人類に貢献する」ということでしょうか。
 人類に貢献すると言うとなんだか引かれるような話に聞こえるかもしれませんが、きれいごとを言っているつもりは全くありません。私も起業家として事業をやっているので、売上・利益を最大化して、社員やお客様が享受するものを最大化したいんです。そのためには合理性がないと売上は伸びないし、利益も出ないですよね。実は、売上利益最大化をすることは人々の役に立つものを目指していくことと理に適っているのです。

「商売はきれいなことだけじゃないから」という人もいますよね。それは、間違っていると私は思います。きれいごとしかないんですよ。なぜなら、きれいごとの方が儲かるから。きれいごとの方がいい思いが出来るし、ストレスが溜まらない。損得で考えた上でもきれいごとこそが、ターボチャージャーですね。
ですから、迷う必要はないです。正しいこと、あるいは誰が聞いてもおかしくないことをやっていれば後ろめたくないし、自分にもストレスが溜まらない。なおかつ売上も利益も上がって、WIN-WINなんです。

 世の中うまく出来ていて正しいことをやれば、正しい結果が出るし、正しくないことをやれば正しくない結果が出ます。多くの人は「正しいことをやったけどうまくいかなかった」という人もいますよね。それは、結局のところ正しくやれてなかったということなんですよ。


■正しいこと、正しくないこと、その判断基準とは何なのか

江見:その人が持つ潜在的な価値観だと思います。例えば、ものを盗んだ子がいて、盗むと隠れる。それは本人が悪いことだと知っているからですね。
でも、悪いことをやっているのは「世の中は不平等」という間違った考えのもとでやっているのです。「世の中は不平等」として、盗む自分がいる。それを隠れながらやる自分もいる。どっちが自分なのか。本当は盗むことは悪いことだと自分でも知っているんです。

 思考が自分だと思っている方々が多いと思います。でも、思考はその人の価値観を言葉で表現しただけであり、大事なのは価値観の部分です。潜在意識の中にある価値観。
経営も同じで、テクニックを磨くことも大切ですが、そもそも“どんな価値観の経営なのか”が重要です。正しい価値観・基準を持っているかどうかが大切で、おかしな価値観に基づいていれば、いくら偉いことを言い、業績が一時的に良くなっても、必ずおかしな方向に進んでいきます。

 私は、この価値観が大切だと思っています。曲がった価値観、正しくない人間観を持っている自分がいるとしたら、そこから直す努力をしないといけない。潜在意識をキレイに正しくする努力が必要なんですよ、少しずつでも。


■江見社長が持つ潜在意識の軸とは
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江見:強いて言えば「感謝」です。
感謝というのは、何かを頂いたら感謝するのが一般的ですね。ですが、儲かったら感謝で、損したら感謝出来ないというのは本当なのでしょうか?言い換えると幸せに近づけたから感謝ということなのか。だとすると、幸せとは何か?ということを考えます。
「幸せ=何か」と言えば、ワクワクする、爽やかなこと、などそういうことが日常ではよく言われますが、他の言葉で言い表すと幸せとは“成長”だと私は考えます。

 そう考えると、世間一般では「うまく行ったら感謝する、うまく行かなかったら感謝できない」と考えますが、それは理屈から言うと間違っていることに気付かないといけません。
例えば、100万円売れたのは自分に100万円売る能力があったから100万円売れた。それは100万円を売る力があるから100万円売れただけ。成長と言う観点からいえば成長してないですよね。反対に、100万円売るつもりが50万円しか売れなかったとしたら、それは50万円売れなかったギャップがあるので、100万円売るためには成長しないといけない。
一体何が問題だったのか。力の出し方なのか、時間配分なのか。成長しなければいけないということですね。100万円売ると言う目標に対して50万円しか売れない自分がいるということは、成長の入口にたったということ。いわゆる、幸せの入口に立った、幸せになる機会を与えられたということです。何が言いたいかと言いますと、成功したときに喜ぶなというつもりはないですが、事実に対する正しい理解でいえば、失敗したときにこそ感謝し、喜ぶべきだということです。

「うまくいってよし、うまくいかずも良し」ということがロジカル的に正しい理解なのです。


■反対に、正しくない価値観に基づいた行動の代表的な事例とは

江見:『怒る』ということです。
我慢して怒らないでいるとストレスが溜まってしまうので怒った方が良いという考え方の方が多いと思います。しかし、怒ることが本当に得なのか損なのか、ということを正面から見つめて理解する必要があると私は言いたいのです。

簡単にいえば怒るというのは、『不安』と『不満』があるから怒っているのです。不安があるということは、怖いということ。何で怖いかというと解決策を知らないから。ということは無知ということですよね。不安は無知の裏返しなんです。不安なことでも、頭を使い全て問題解決出来れば不安は無くなります。ということは、不安なのは誰の責任なのか?自分なんです。
 不満は何でしょうか?感謝する気持ちの欠落ということです。ワガママなんです。饅頭一個あったとしても、「ああ、饅頭一個あるじゃないかありがたいね」という人もいれば「饅頭一個かよ」という人もいますね。後者は、感謝の気持ちに欠けている方です。生きていること自体が有り難いことなのに、それにも気付かず生きているケースですね。

 感謝の気持ちに満ちた、経験に基づいた知識をもった人間であれば、怒る理由は無くなるのです。また、問題が起こったとしても怒らなければ解決方法が探せます。本質的な問題点を冷静に分析出来るからです。ですから、怒っているということは、無知で、感謝できない未熟者ですということを、自ら表現していることになります。
話を戻すと、怒っていると生産性という観点ではものすごいロスです。

経営はパフォーマンスを最大化することです。自分、組織のパフォーマンスを低下させる
怒るという行為は愚の骨頂です。
ただし、『叱る』ということと『怒る』ということは違います。相手のために、相手に物事の本質・正しいことを、自分の利害を無視して最高の効率でもって相手に伝えようとすることが、叱るということと考えます。


■正しい叱り方とは

江見:叱り方にも色々ありますが、どうすれば相手が一番いい結果になるかということを、自分の知恵・才覚・能力をすべて使い、効果的に伝える努力をすることです。

例えば、さぼっている人がいるとします。Aさんが新入社員だとして、半年前に入ってきてイマイチ思い通りにいかないと。上司からも結果が出ていない、さっぱりだと言われているとしますよね。例えば私だったらこのように声をかけます。「Aさん、入社式のときに頑張ると入社してきたキミが、最近会社を毎日遅刻しているらしいね。営業の結果も全く出ていないって聞いているけど、大丈夫?なんかあったの?」と。給料だって高く欲しいと思っているだろうし、出世したいと思っていると思う。給料を安くしたいと努力する人なんていない。それが叶わない流れになっていることに対して「どうしたの?なんかあったの?だって、Aさんのこと、俺大好きだから。頑張るって入ってきて、そんなAさんがこうなって、僕になんかできることないのかな?」と伝えるだけです。社内には明確な評価制度やルールがあるわけですから。アルバイトでも「毎日遅刻しているらしいけど、シフトから外されちゃうけど大丈夫?」と伝えれば良いのです。そのような言葉をかけられたらどうですか?大抵の人は、頑張らないとまずいなと思うのではないでしょうか。

 ここで多くの人は「何をやっているんだ!」などと声を荒げ怒ってしまうから話がこんがらがって、仕事の生産性を下げてしまうのです。


■正しい価値観を身につけるには
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江見:正しい生き方をすることです。つまり、まずは怒らないということです(笑)

 イメージしてみて下さい。人類80億人から怒りという感情が消えた場合、それは爽やかですよね、世の中は。それを、怒り、不満、不安があるから、おかしな事が起きてしまう。今、人類が持つ資源、テクノロジー、スペースを皆が足を引っ張り合わずに相手を立て、思いやりながら活用すれば全人類がお腹いっぱい食べて幸せな生活が出来るということが理論上説明出来るそうです。それをコンニャローと足を引っ張り合いながら生活しているため、争い事が起きて貧富の差が生まれます。理性で生きることが大切ですね。悪い感情をコントロールし、良い感情で生活をすること。良い感情で生活するためには、物事に対して正しい理解をすれば良いのです。

 重要なのは、“正しい価値観とは何ぞや”という問題意識を持つということ。 “正しい価値観”を理解すれば、きっと人生は良い方向へと転がり始めます。


■今後の経営ビジョン・事業展開についてお聞かせください
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江見:まずは、『銀のさら』を中心にした『釜寅』、『銀のお弁当』『あげ膳』『カレーキャリー』などの複合店舗の展開が1つ。
2つ目に、ファインダインの全国展開。
3つ目は、オリジナルブランドのデリバリーフードビジネスから得る消費者の消費記録・ビッグデータ、或いはラストワンマイルの物流ネットワーク、それとお客様とのリアルな接点から、売れるリアルな顧客ネットワークというインフラを押さえることによって展開していくビジネスモデル。我々とパートナーを組む企業が勝ち組になれる。或いは、少なくともノーリスクに近い状態、或いは何もしなくても我々とパートナーになることによって得が出来る、という状況を作っていきたいです。
外食はお客様が店に向かっていく一方通行だけれども、それを我々は双方向に変えていきます。食文化の流れに対して、文化レベルでインパクトを与える変化を起こしたいです。見通しとしては、その過程の中で物流情報窓口ができ、今度は様々な企業との協業が可能になる。デリバリーのネットワークのポテンシャルが色々な形でビジネスモデルとして作れるのではないかと考えています。
IT革命というのは簡単にいえば、今までは限定的だった情報量が無限大に広がったということと、情報のスピードが圧倒的に速くなったということ。情報の量が無限大になって、情報のスピードが速くなったということは当然、モノの移動も変わってくる。しかし、最少ロットのモノの移動インフラは宅急便。宅急便を利用し、翌日配達されるのでは意味がないので、インターネットのスピードを本当の意味で完結させるには物流が進化しないとインターネットの恩恵は100%生かされない。注文してから30分、1時間でモノが移動できれば、インターネットの世界も変わってくると思います。
 弊社は、同じ店舗や資源を複数ブランドで共有しているので、例えば家賃や人件費がコストダウン出来ます。販促費も限界まで絞っています。その他にも色々ありますが、だからこそ、他社にとって参入障壁は高いのです。時間的制約、人的資源を加味しても、今私が1000億円を資本に、0ベースで同じビジネスモデルを作れと言われても出来ないと断言出来ます。だからライバルが現れません。
 経営においては『怒らない』ということもビジネスを合理的に進める上で大事な事ですが、こういう戦略・戦術も徹底して考えています。


■最後に、どのような方にライドオン・エクスプレスさんの門戸を叩いて欲しいか
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江見:たった1回しかない人生を大切にしたいと思う人です。
人生はたった1回しかないからです。ですが、正しい一つのこと、というものを今までは全然意識したことがない、すなわち、そうじゃないことを経験してきた人も歓迎します。なぜなら、人は変われるからです。私だって、昔は怒ったりしていましたし、ひどかった(笑)でも、ひどかったことをやったからこそ、本当に正しいことに気付いたときに反省するし、正しいことをやったときの爽やかさ、心地よさに感動出来ます。人は変わります。また、変えることも大事です。そこに醍醐味があるのではないでしょうか。

 一回きりの人生を大切に生きたい人、もしくはそのように自らの人生を意識したことが無くとも、正しく生きられるように変わりたい人に来ていただけたらと思います。


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