150人の壁を契機に、構造的マネジメントに転換 ~組織拡大に潜む罠のすべて―株式会社マイネット 代表取締役社長 上原仁

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■PROFILE
株式会社マイネット 代表取締役社長 上原仁
マイネット代表取締役社長。1974年生まれ。1998年神戸大学経営学部卒。NTTに入社してインターネット事業開発に従事。2006年7月株式会社マイネット・ジャパン(現マイネット)を創業し同社代表に就任。自社のモバイルCRM事業を国内3万店舗まで育成した後にヤフーへ事業売却。現在はゲームタイトルの買収・バリューアップを手がけるゲームサービス事業のリーディングカンパニーとして業界を牽引している。

2014年に60名―。わずかその3年後には650名体制へ。3年で従業員が10倍、売上が12倍という急成長を成し遂げたマイネットグループは、どのようにして組織拡大を実現してきたのか?

150人の壁を契機に、構造的マネジメントに転換

私はもともと所謂「150人論者」で、組織設計もそれをもとにしてきました。

150という数字は、ソーシャルネットワーク上で親密にできる人の限界、さらに言うと顔と名前が気持ちよく一致する限界とも言われています。
ですので、150人の壁を契機に、ヒューマンオンリーでのマネジメントから、定量的な構造的マネジメントに移行すべきだと考えていました。

一方で、創業期から「人を大切にする会社」という理念を掲げていたので、字面だけ見ると一見正反対のことを言っているように捉えられ、誤解が生まれてしまった。
組織の拡大に伴い、データに基づく構造的アプローチは必ず必要になるのですが、それを実行するには相当なパワーで頭の切り替えが必要になります。

結果的に「人を大切にする会社」というアイデンティティーに反していると感じたメンバーや、スモールベンチャーだからこそやりがいを感じていたメンバーが卒業していきました。私としては、一緒に成長したかったですし、理解して欲しかったので、とても残念でした。

創業の頃から、10万人の会社にすると宣言

実は創業の頃から、「マイネットを100年成長する会社、10万人の会社にする」と宣言していました。
前職のNTTという会社は従業員15万人で、組織を一定の規模ごとに因数分解し、権限委譲をしていく姿を目の当たりにできました。また京セラ稲盛氏が提唱するアメーバ経営を熟学し、利益という明確な通信簿のもとに市場原理で組織マネジメントしていく、という節理を実行してきました。

だからこそ、マネジメントが血の通っていないものになってはいけないと思い「人を大切にする会社」を掲げて起業しました。
「データを用いたロジカルマネジメント」と「血の通ったヒューマンマネジメント」。この相反する矛盾を実現していくことが経営者としての使命だと考えています。

そしてその実現には、今も昔も管理会計こそがカギだと考えています。
特にこのオンライン時代には、さまざまな数値を定量化できるので、管理会計で実現できることが、ますます増えてきていると言えます。

マイネットグループでは、従業員60人、5タイトルの頃から、タイトル毎に営業利益やキャッシュフローを算出し、「1タイトル1カンパニー」としてマネジメントしていました。

現在では国内最大の30タイトル以上のゲームを運営しています。これを実現出来るのはタイトル毎の明確な管理会計の導入と痛みを伴った権限委譲を行っているからです。これに関してもやはり150人の時と現在では異なる設計をしています。

>> 続きはBNGぶっちゃけ社長フォーラムにて

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