正社員ゼロから上場後の大幅な拡大。急成長を遂げるクラウドワークスの変遷はいかにして支えられてきたのか?〜急成長を支えるNO2が語る「創業者とNo.2」―株式会社クラウドワークス 取締役副社長COO 成田修造

■PROFILE
株式会社クラウドワークス 取締役副社長COO 成田修造
慶應義塾大学在学中よりアスタミューゼ株式会社に参画。オープンイノベーション支援サービス「astamuse」の事業企画や、大手人材紹介会社との提携事業の立ち上げなどを担当。その後、アート作品の解説まとめサイト「atokore」を立ち上げる。 2012年より株式会社クラウドワークスに参画。2015年4月、同取締役副社長に就任。

アルバイトからはじまったクラウドワークスとの出会い

元々私は2011年、大学3年時に友人とアート作品に関する情報サイトを立ち上げていましたが、その事業自体はあまりうまくいかず、2012年の3月に代表を辞めてしまったんです。

その当時から現クラウドワークス代表の吉田のことは知っていて、我々の会社の取り組みを応援してくれていました。当時はある意味「先輩起業家の一人」として認識していて、特別に意識することは実はありませんでした。

ただ私が会社を辞めた2012年3月がまさに吉田がクラウドワークスを立ち上げていて、これからインターンを集めてガリガリと事業立ち上げを行っていこうというタイミングでした。
その中で、Facebook経由で「うちに見学にこない?」と誘ってもらって、それがきっかけでクラウドワークスに遊びにいくことになったのがきっかけです。

当時は私も大学4年ということもあって、就職活動をしているタイミングでしたので、率直に言うと入社しようというつもりもなく、ある意味インターン先という立ち位置で最初はかかわっていました。最初の出会いというのはそれくらいカジュアルなものでした(笑)

ゼロからの立ち上げ、事業を牽引するまで

その当時、そもそも「クラウドソーシング」という言葉もよく知らない状態でしたので、最初はサービスを使い、改善点を洗い出し、改善策を提案するといったことにコツコツ取り組む形でした。

ただインターンを進めるにあたり、自分で学生起業していた時の感覚と、経験豊富なメンバーと豊富な資金で事業を立ち上げる感覚のあまりの違いに色々と学ぶことも多く、またこの事業に取り組んでいくことが想像以上に面白く感じられて、このメンバーと事業を大きく成長させたいと思うようになっていました。

また、インターンをするなかで、吉田が熱心に何度も「クラウドワークスに入社して欲しい」と誘ってくれていて、その熱量に自分も感化される形で結局2012年9月に正式にジョインさせてもらうことになりました。

その当時、就職活動や他社のお手伝いをしていたため、有難いことに他のお誘いも頂いていたのですが、やっぱりそこにいるメンバーの熱量というのは全然違うものを感じ、同時に吉田も熱心に何度も根気強く誘ってくれた。その想いに応えたいと思ったのも大きかったです。

最終的には、9月のタイミングで入社すると同時に執行役員に就任せていただいて、そこから会社の事業全体に関わっていくことになります。ただ、役員といっても当時の社員はゼロでインターンばかりの環境でしたから、私は創業メンバーに近い感覚で何から何まで自分でやっていきました。

具体的な業務としては、プロダクトの改善やウェブ広告やSEOなどのマーケティング統括、外部企業とのアライアンス、広報、採用活動など、幅広く行ってきました。エンジニアとデザイナーと一緒になって延々SEO施策やファネルの改善、サービスオペレーションの見直しなどをやりました。

その後、クラウドソーシングをB2Bで広げていくエンタープライズ事業の立ち上げを行うことになり、私が事業責任者として事業全体を見ていくことになります。

プラットフォーム事業とエンタープライズ事業と、当時2つの事業の事業部長をしていましたので、自ずと組織全体を見ざるを得なくなり、気付くとプロダクト開発を含めた事業計画やマーケティング戦略などの「攻め」の部分は自分がやるようになり、財務管理などの守りの部分はCFOの佐々木がやるようになり、少しずつ役割分担ができてきて、上場直前には取締役COOになりました。

「副社長になった」というよりは、結果として「やっていることが副社長だった」

そのように自分が攻めの部分を担当する中で結果的に創業3年で上場させていただくことができ、上場後は社員数も30名から1年で100名まで一気に膨らみました。

その拡大途中で自分が副社長にならせてもらう形になったわけですが、もともと私が取締役になったときも副社長になったときも、役割が先にあったというよりは、事業の拡大や組織の拡大にあわせて実質的に事業全体や組織全体を見る役割になっていたという側面が大きく、会社の成長と共に自分も成長させてもらい、役割やできることの幅が広がってきたという感覚が強いと思っています。

創業当初から新規含めて、全部の事業の立ち上げから拡大まで見てきたので、ある意味全体を分かっているのが自分ということもあり、それがあるからこそ今の立場や役割というのがあるのだと思っています。

当社の場合、創業3年というスピードで上場することができ、そこから社員数が1年半で3倍以上になり、その過程では色々な成功と失敗がありました。組織的にもある意味混乱が生まれたタイミングでしたし、その過程過程で吉田や他の役員との立ち位置や役割を考えたこともありました。

事業が多角化し、マネジメント層の階層ができる中で、ミッションと事業戦略をどうつなぎこむのかということ。また、それぞれバックグラウンドが異なる人材のマネジメント方針をどう統合していくのか。その過程でなかなか苦しんだこともありましたし、また、資本市場の関わり方に迷いが生じたり、社長と副社長の役割が曖昧になったり、そのような変化はたくさん起きました・・・

>> 続きはBNGぶっちゃけ社長フォーラムにて

ABOUTこの記事をかいた人

樋田 和正(とよだ かずまさ) 長野県出身。大学卒業後、バーデンダーを経て、2014年BNGパートナーズに参画し、コンサルティング事業部にてマネージャーとしてIT系スタートアップを中心に多数のCxO採用に携わった後、2017年メディア戦略室長就任。執行役員 メディア戦略室長 / エグゼクティブキャリア総研編集長を経験。2018年同社退職。