いま明かされる上場取り消し前夜の顛末、再承認までの軌跡 〜絶望的な状況をどのように乗り切ったのか? ―株式会社ネットマーケティング 代表取締役社長 宮本 邦久

■PROFILE
株式会社 ネットマーケティング 宮本 邦久

1975年熊本県生まれ。慶応義塾大学 総合政策部卒業後、日商岩井(現:双日)株式会社に入社。ITX株式会社に転籍し、数社にてネット事業に携わる。 そこで培ったノウハウを生かし2004年7月に株式会社ネットマーケティングを設立。企業のWebプロモーション支援サービスを開始。特にアフィリエイト広告分野の戦略立案、企画構築から制作・進行管理、運用までを含むコンンサルティングサービスを提供。2012年より恋愛マッチングアプリ「Omiai」を運営。2017年3月東証JASDAQ市場上場。現在に至る。

―― 2015年、一度は承認された上場審査。誰もが上場を確信した最中、承認取り消しとなった株式会社ネットマーケティング。1年半後に再上場を掴み取るまでの軌跡を伺った。

上場承認は安堵の方が大きかった

2015年の8月に1度目の上場承認がおりました。ただ実際に上場するまでに気を抜けない日々が続きました。
残業時間・交際費など多岐に渡る管理が非常に厳しくなったのは勿論、止むを得ず新規事業や新たな社内施策を諦めたり。
今までの当たり前を変えていかなければならないストレスは溜まっていたな、と思います。

実は、2社ほど証券会社にも主幹事を断られていたんです。

人格否定ではないんですが、こうも断られ続けると「そんなに駄目なのか」とさすがに落ち込みました。

そのようなことがあったので、上場承認の電話を受けたときは歓喜で沸くよりもむしろ、「長く続いた重圧からようやく解放される」という安堵の方が大きかったですね。

社外環境による上場承認取り消し

一般的に、「承認を得てから実際に上場するまでが最も気を遣わなくてはいけない」といわれている期間ですが、私の中では今までと変わらず居れば大丈夫だろうと思っていました。

しかし、上場前説明会の前日に私達を取り巻く社外環境が大きく変わってしまいました。

この時期には他の企業も下方修正を出す等があり、東証も証券会社も神経質になっていました。社外環境による変化でもしかしたら赤字になってしまうかもしれない、そうすると株主代表訴訟の危険性も出てくるので、リスクを下げるためにも今回は辞めた方が良いのでは、と管理部門や証券会社などからのアドバイスもあり、承認取り消しに意見は収束していきました。

私自身の中ではどちらに転んでも受け入れる気持ちはあったのですが、実際に承認を取り消すのはショックでしたね。涙を流すメンバーも見受けられました。

とりわけ重いダメージだったのが、承認取り消し理由です。

もしもコンプライアンスやガバナンス違反だったら社員も離職する可能性もあったと思います。

けれど、そのような状況でも誰一人として辞めることはありませんでした。

理由は2つあるとおもっています。それは…

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