【第6回ぶっちゃけ社長フォーラム】リーダーの本音:なぜ、仲良し経営では成長し続けられないのか?(一部公開)

識学梶山,ファインドスター渡邊,ランクアップ日高,グッドフェローズ長尾,キープレイヤーズ高野
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2018年2月28日に開催された「第6回BNGぶっちゃけ社長フォーラム」一部プログラムを限定公開致します。

プログラム紹介

■開催日程

2018/2/28

■プログラム

B会場第二部「【リーダーの本音】なぜ、仲良し経営では成長し続けられないのか?
▶第6回BNGぶっちゃけ社長フォーラム開催報告はこちらから

■登壇者紹介

・登壇者
(株)識学 取締役 梶山 啓介氏
(株)ファインドスター 代表取締役 社長 渡邊 敦彦氏
(株)ランクアップ 取締役 日高 由紀子氏
(株)グッドフェローズ 代表取締役 長尾 泰広氏

・モデレーター
(株)キープレイヤーズ 代表取締役 高野 秀敏氏

[公開可能部分のみを記載]

パネラー紹介

キープレイヤーズ(代表取締役)高野秀敏_201802ぶっちゃけ社長フォーラム

高野 秀敏氏(以下、高野)
本日のテーマは「なぜ仲良し経営では成長し続けられなのか?」です。まずは、自己紹介と会社紹介ということで、梶山さんからお願いします。

識学(取締役)梶山啓介_201802ぶっちゃけ社長フォーラム

梶山 啓介氏(以下、梶山)
識学の梶山と申します。会社自体としては学問を扱っています。私自身で申し上げますと、もともと銀行員を新卒で2年ぐらいやってから、営業支援のベンチャーを8年ぐらいやっておりまして。マネジメントの正解がわからない中、識学に出会いました。これで自分も助かったし、もっと広めたいということで、3年前から株式会社識学を代表の安藤と一緒に作り、取締役を務めています。識学というのは組織に携わる学問になりますので、識学の講師としての観点も混ざってきますけど、なるべく混ざらないように、自分の経験はこうでした、識学の講師としてはこうですというので、皆さんと今日はお付き合いできればなと思います。よろしくお願い致します。

高野
ありがとうございます。続きまして渡邊さん。

ファインドスター(代表取締役社長)渡邊敦彦_201802ぶっちゃけ社長フォーラム

渡邊 敦彦氏(以下、渡邊)
ファインドスターの渡邊です。よろしくお願いします。ダイレクトマーケティング支援事業をやっています。組織は80名ぐらいでやっていて、やっぱり30名超えたぐらいからちょっとずつ組織の悩みとか出てきて、その辺が今日お話しできればいいなと思っています。よろしくお願いします。

高野
日高さんお願いします。

ランクアップ(取締役)日高由紀子_201802ぶっちゃけ社長フォーラム

日高 由紀子氏(以下、日高)
こんにちは、ランクアップの日高と申します。よろしくお願い致します。私は14年前に代表の岩崎と前職の広告代理店を退職しまして、通信販売で化粧品を販売する会社を立ち上げました。現在は約50名で、前期9月末決算で100億を達成していて、1人約2億円の生産性を上げています。しかも17時にはほとんどみんな帰るため、みなさんから「良い会社だね」と言われてきたんですけども、内情はそうでもなかったってことを今回お話しして、皆さんの参考にしていただければと思います。よろしくお願いします。

高野
長尾さんお願いします。

グッドフェローズ(取締役)長尾泰広_201802ぶっちゃけ社長フォーラム

長尾 泰広氏(以下、長尾)
初めましてグッドフェローズの長尾と申します。弊社は創業10年目の会社になりまして、高校時代のクラスメートと前職の部下の3名で立ち上げた会社になります。事業内容といたしましては、再生可能エネルギーであったり、電力自由化のメディアだったりを複数立ち上げています。代表的なサイトには『タイナビ』があります。そうしたエネルギーに特化したウェブメディアのプラットフォームを軸としているのと、あとはそこに登録していただいた販売企業様に対して、太陽光パネルだったり周辺機器だったりを販売する会社になります。社名のグッドフェローズは、直訳すると「良い仲間」とか「気の良い仲間」という意味になります。この社名に囚われすぎたことで、成長していく上で、いろいろな弊害がありましたので、今回はその辺のことをお話できたらなと思います。

マネジメントの課題に直面するとき

高野:
ありがとうございます。梶山さんはご自身が識学の講師であり、経営者でもありますが、組織の課題、特に部下のマネジメントで課題に感じていることはありますか?

梶山
ベンチャーを立ち上げ、経営していた当時はマネジメントに関してとにかく自信がなかったので、仲良くして距離を近くするのが何よりも最良だという感じでやってきました。すごい気を遣うんです。だいたい3年目ぐらいで入ってきた新卒が、「この会社違う」みたいになるので、そういう場合は飲みに付き合って話をして、ということをくり返していましたね。

高野
渡邊さんは部下のマネジメントについていかがですか?

渡邊
僕が入社したとき、ファインドスターは売上が数億の会社だったんですが、それが数年で数十億と伸びていきました。ただその後、僕が代表になって売上を大きく落としてしまい、離職率がどんどん上がっていきました。そこで初めて、もう一回イチから組織を作らないと次の成長はないなと。その辺からマネジメントをきちんと勉強しよう、と。それで識学を導入しました。

高野
梶山さん、当時のファインドスターはどんな状況だったんですか?

梶山
とにかく社内の人が若いので、渡邊さんが思っていることと、社内で起きていることが合っていない感じでしたね。渡邊さんは、本当は言いたいけど、そう言っちゃうと下はたぶん受け止められないだろうなと感じていたのではないでしょうか。その間に干渉して混乱する役員の人たち、みたいな感じでしたね。

渡邊
今日は「仲良し経営」と言うテーマですが、僕は「仲良し経営」がしたかったわけではなく、組織が明らかにうまくまわっていない状況を、コミュニケーションでごまかそうと思考してしまった、ということですね。

高野
そこからどうやって変わったんですか。

渡邊
底の見えない業績悪化が、現実ときちんと向き合うという、逃げ場のない状況に良い意味で僕を追い込んでくれました。

高野
ヒントというか、何が適切な打ち手みたいなものがあったんですか?

渡邊
ビジネスモデル自体は差別化の効いた競争力のあるものでした。つまり課題は組織にある、と。そして「組織とはどうあるべきか?」に答えを見出だせてない自分がいる、と。自分が変わらなければいけない、という当たり前の地点に立つことができました。

B会場第二部写真2_201802ぶっちゃけ社長フォーラム

社員みんなが“評論家”になってしまった

高野
ありがとうございます。では、組織が崩壊寸前のときの、特にインパクトが強いエピソードは何かありますか。渡邊さん、いかがでしょうか。

渡邊
僕自身に起きた現象ですが、会社のメンバーに語りかける自分の言葉に「自信」がなくなってるな、と気づいた瞬間がありました。 初めての経験でした。「まだこの危機を考え抜けていない。腹がくくれていない」と、自分の甘さを痛感しました。

高野
ありがとうございます。日高さんはいかがですか。

日高
私たちも最初は、代表の岩崎と2人の超ワンマン経営だったんです。何をやるのも全て2人で決めて、それを社員にやってもらう。そういった体制がずっと続いていました。でも、私たちは、自分たちがすごく優しい経営者だと思っていたんですよ。社員との個人面談を年に2回やって、直接個人の声をひろったり、あとは福利厚生を整えたり、ママでも活躍できる会社にするために、たくさんの制度を作ったりもしました。でも、ずっと暗いんですよね、会社が。私たちが張り切れば張り切るほど、とくに朝礼が暗くなるんですよ。

アンケートをとると、「この経営者は言っていることとやっていることが一致している:6%」「この会社の社員は楽しんで会社に来ている:0%」など、管理職以外の一般社員の回答は悲惨な結果でした。それで私たちは、こんなに良い環境があるのにやる気がないのは社員のせいだと思っていたんです。やっぱり、営業出身じゃないと価値観が合わないな、と。ですが、研修を受けたことがきっかけとなり、社員から「あなたたちは私たちを全く認めてない」という話が出てきまして。思い当たる節がありまくりで、これは確かに私たち変わらないといけないというきっかけをもらい、そこから180度、変わりました。

まず、会社の価値観というのを決めました。人はそれぞれ価値観が違うので、まずは会社の価値観を決めて、そこにみんなで合わせていこう、という考え方を導入したんです。そのときは「挑戦」を掲げて、挑戦のためなら何をやってもいいことにしました。その結果、今まで私たちはあらゆる提案を潰してきたのだと気付きまして。それらを全て認めるようにしたら、挑戦が増え、業績も伸びました。でも次第に社員が自ら目標を選ぶようにもなったんです。あまりに話を聞きすぎて、統制が取れなくなってしまったとき、梶山さんに出会ったという経緯です。

高野
話を聞きすぎてもダメなんですか。

日高
結局、ただ聞くなんてできないんですよね。聞いたら解決したくなるじゃないですか。解決したことで、相手のモチベーションは一瞬改善したようにみえ、自分も満足しちゃうんですが、それは一過性ですし、その行為は管理職の立場を潰してしまうんです。組織が機能しない。それで手をつけられない状態になってしまいました。

高野
梶山さんとしては、こういうパターンは多いと感じますか?

梶山
そうですね。渡邊さんのところと日高さんのところで共通していたのは、「評価者がズレはじめていた」ことです。上司が自分の評価者であるという振る舞いをやめると、部下が選択権を得ることになりますが、それだと縦のラインが崩れてしまいます。そこで、きちんと組織を構築することが大切です。

高野
社員みんなが“評論家”のようになってしまう現象ですね。組織という意味では、何人ぐらいから意識すればいいですか?

梶山
人が2人になったら、そこに上下関係が生じてきます。こんな例がありました。ある人は、お父さんと知り合いの3人で会社を経営していたんですが、そのお父さんに「一番苦労していたことは何でしたか?」と聞いたら、やっぱりマネジメントだったと言うんですね。3人でも人の問題が一番大きいんです。組織の階層が増えれば、それだけマネジメントが難しくなるのも当然ですよね。

高野
日高さんは、組織の階層をフラットにするなどの工夫をされたんですか?

日高
組織の階層は変えていません。ただ、評価制度はかなり工夫しました。まず、会社の目標に対して、各部署がそれを達成するためにやることを決める。その目標に対して、各自が何をやるのか決める。その結果と経過を見るようにしました。また、結果と経過を観測するだけでなく、明確化し、次の打ち手がわかるようにしています。

高野
梶山さんは評価制度を作ったりしていますか?

梶山
識学の理論を用いた評価制度構築のサービスを行っています。日高さんの場合であれば、日高さんだけが社内を納得させられるような状態にするのではなく、誰であっても再現性のある機能としての組織を構築する、ということを意識していました。

パフォーマンスが上がらない人への対応

高野
続いて長尾さん。マネジメントや組織の課題についていかがでしょうか

長尾
うちは仲の良い友達と起業したということもあり、識学でいうところの「位置関係」を作るのに苦労しました。どうしてもお互い私情が入ってしまうので、明確な役割分担ができなくなっていたんです。当時は「一緒にこれやろうよ」みたいな言葉が飛び交っていまして。そうすると、責任の所在が曖昧になりますし、うまくいったら“2人でやった”ことになるし、うまくいかなかったら共同責任です。それだと、各々の責任も結果も見えづらいですよね。しかも役員だけでなく、全員がそうなっていました。ピラミッド型の組織ではなく、いわゆる文鎮型の組織ですね。社長、副社長、専務、部長、リーダーみたいな感じで役職はありますが、あくまでも名前だけの役職で、それに見合った機能や役割などが果たせてなかったという状況です。

梶山さんから言われたのは、僕が、各人に対して権限と責任を明確に与えられていないことに原因がある、ということでした。それでみんなが僕のところに来てしまう。決済から相談事まで、部長やリーダーを飛び越えて、僕が受けることになるんです。

高野
同じような組織の悩みを抱えている方は多いですよね。

長尾
とくにうちの場合は、できる人よりも、成果を出していない人の方が問題となっていました。目標を達成できていない人に対して、未達という結果に上長がしっかり部下と向き合わない、むしろ目を背けて、何かしら良いところを見つけて、賞賛、承認する文化がありましたので。もちろん未達に向き合った上でのフォローという意味合いであれば良いと思いますが、向き合わず賞賛、承認だけすると、褒められた本人は「達成してなくてもいいんだ」と錯覚してしまう。“グッドフェローズ”という言葉を都合のいいように解釈してしまう人も増えていきました。

高野
梶山さんは、パフォーマンスが出ていない社員への対応についてどう思いますか?

梶山
パフォーマンスが出てないという認識が本人にあるかどうか。そこがズレてしまうのは問題です。結果が出ていなくても褒めていると、やはり本人は勘違いしてしまいますよね。自分の能力が足りてないということを認識しなければ、直すことはできません。ですので、まずはリーダー自身が言動を改めることです。褒めてあげたい気持ちはわかりますが、結果が出るまではこらえた方がいいですよね。

高野
結果という点で言えば、売上やアポイントの数など、どのような指標で観測するといいのでしょうか?

梶山
まず、経過ではなく結果を評価するべきです。その上で、なるべく近い目標を設定してあげるといいと思います。いきなり目標を「売上100万円」などとするのではなく、「アポイント10件」というように、なるべく手前にゴールを設定してあげることがマネジメントのポイントとなります。あとは、その目標に対してきちんと集中させてあげることが大切です。

高野
長尾さんも識学を参考にされているとは思いますが、他に、参考になった書籍や理論などは何かありましたか?

長尾
マネジメントについては今も悩んでいて、いろいろな情報にふれるようにはしています。識学を学ぶ前は、経営者仲間に聞いたことや、本などを読んで「これいいな」と思ったら取り入れたり、あとは今起きている問題を自分なりに分析し、仮説を立て、アクションしたりもしていました。ただ、それが本当に正しいかどうかは自信がない状態でしたね。

識学を学んだ後は、あらゆる物事を因数分解できるようになり、情報がスッキリしました。そのため、何をしなければならないのか、何をするべきかが分かるようになり、迷うことも少なくなりました。

高野
会社の経営者でも、意思決定に自信をもつのは難しいことですよね。ですので、自分が自信をもてるような何かがあると、マネジメントもしやすくなるのかなという印象があります。

長尾
そうですね。やっぱり、マネジメントに関して悩まなくなるのが一番です。悩まなくなることによって、使える時間も増えていきますし、経営者の気持ちもずっと楽になりますよね。

 

B会場第二部写真1_201802ぶっちゃけ社長フォーラム

社員の成長スピードを早めるには

高野
次の質問です。メンバーの成長速度を早めるために工夫していることはありますか。長尾さんどうでしょう。

長尾
これも、識学で学ばせてもらったことを実践しています。具体的には僕が求めている結果を部下に伝えたらもうプロセスには関与しない、ということを徹底しています。識学を学ぶ前は、プロセスにまで口を出していました。そうすると、どうしても部下は僕の指示待ちになり、自ら考え、工夫することをやめてしまう。しかも、結果が思わしくなかった時には、「社長の言う通りにやりました」という免責にもなります。

ですので、プロセスに口を出すのをやめ、結果だけを求めるようにしました。もちろん、部下それぞれ経験もスキルも違いますので、結果設定をどこに置くかは変えています。それこそ、先ほど梶山さんが仰ったように、アポ10件が結果点の人もいれば、事業部予算が結果点の人もいるって感じです。いずれにしても、それからは、みんなが自走するようになり、成長スピードも早まってきていると思います。

高野
日高さんはいかがですか?

日高
先ほど売上やアポイントの目標について話がありましたが、そのように、目標達成までのプロセスについてしっかりと考えるようになりました。目標達成までの流れを考えてプランニングするようにしたら、成長スピードが早まったように感じています。

高野
梶山さんは、いろいろな会社を見てどのように感じていますか?

梶山
長尾さんのところは、組織内にメンバーが成長する仕組みを構築することが必要でした。具体的には、それぞれのメンバーに結果目標を設定し、定例会議を繰り返しながら、結果目標に対する不足を認識させる仕組みです。日高さんのところは、業界ならではの特徴として、結果がすべて数字で把握できますよね。そのため、すべての数値を達成しようとすると無理が生じてしまいます。そこで、まずはその人ができることに集中してもらうことが大事だと思います。

高野
渡邊さんどうですか?

渡邊
適正な修羅場を与えられているか。これだけだと思います。

社長と役員の最適な距離感

高野
次の質問にいきましょう。みなさんの会社において、社長と取締役の間柄についてはいかがでしょうか。長尾さんどうですか?

長尾
普通に仲はいいですね。ただ、昔とは関係性が変わってきています。昔はよく飲みにも行っていましたし、プライベートでも遊んでいたんですけど、最近はあまりサシで飲んだりとかプライベートで遊んだりしていません。要因の一つとして、会社での位置関係が明確になっているからかなってのはあります。ただ、それで関係性がギクシャクすることもありませんし、信頼関係もバッチリだと思っています。

高野
日高さんはどうですか?

日高
たぶん、うちはすごく仲がいいと思います。週に2、3回ぐらい、夕飯を一緒に食べてるぐらいです。うちの社長はすごく私を尊重してくれているんですよ。事あるごとに「ねえ、日高さんどう思う?」みたいに色々と相談してくれます。私はこれまでとても尊重をしてもらえたからこそ、活躍できたのだと思います。もちろん、そのことが仕事のモチベーションにもつながっています。ただ、識学で講師の梶山さんから「上下関係を勘違いしないように」と指摘され、社長の言動に関わらず、自分の役割についても意識するようになりました。

高野
役割の違いを認識することが大事ということでしょうか?

日高
たとえば何らかの意見を求められたとき、私情ではなく、客観的な事実を述べるようにする、ということだと思います。そうしないと社長は正しい判断ができません。自分が社長のように自らの意見を述べてしまってはダメなんです。それが役割分担ではないでしょうか。関係性そのものは変わっていませんが、私の中では、確実に線を引くところを意識するようになりました。これはプラスの変化だと感じています。

高野
渡邊さんのところはいかがですか?

渡邊
別にそんなに仲がいい関係ではないです。ただ、信頼関係はきちんとありますよね。飲みに行ったりはあまりしないですが、ビジネスパートナーとして信頼関係がきちんとあるかどうかが大事だと思います。

結果で見る組織へと変わるために

高野
社長と取締役の間で経営戦略の意見が合わないときなどは、みなさんどうしていますか?

渡邉
うちはしょっちゅうありますね。なので経営チームでしっかり議論を重ね、最終的には僕が決定します。責任の所在をはっきりさせる必要があるので。ただし経営戦略に基づいた各部門の戦略には一切口出ししません。

高野
ありがとうございます。あと気になるのは、古参の役員やリーダー層でパフォーマンスが低い人への対応も悩ましいところですよね。私の感覚としては、後から優秀な人材を採用できる企業ほど成功しているように感じますが、長尾さんいかがでしょうか?

長尾
古株の人間は昔からやってきているというプライドもありますし、そのことをついつい言動だったり行動で無意識に出したりもしますよね。後から入ってきた人間は、そのことで遠慮することもあり、結果的に組織内のトラブルに発展することも少なくありません。そのような場合には、役職を落としたり、あとは優秀な人に権限をあげたり、などの工夫をするといいかと思います。うちは文鎮型の組織でしたので、そうした悩みを多く抱えていましたが、識学を導入することによって改善に向かいました。それを受け入れられない人は、自然に辞めていったんです。

会社は「法人」というぐらいなので、一つの人格だと思っています。人格である以上、法人も変化するし、オーナー経営者でさえ、その変化をコントロールできない場合もあります。つまり経営者も法人の変化に合わせて、自分を変えている。良い悪いではなく、法人の変化に合わせて、自分を変えられなかった人、価値観のズレが生じて辞めていくっていうのは、双方にとって最良の選択とも言えるかと思います。

高野
離職についてのお話もありましたが、会社のビジョンと個人のビジョンが合わないと、社員が辞めていくということもありますよね。梶山さんはこのあたりについてどのように思いますか?

梶山
正しい評価が行われる環境をつくった後は、結果を見て、自然に競争が起きるようにしておくと成長スピードが早まっていきます。当然、競争があれば勝つ人も負ける人もいます。その過程において、負けた人が居づらくなって辞めるということはあると思います。一方で、組織風土が大きく変わった結果、「約束が違う」と感じて辞めていく人もいますよね。それは仕方のないことですし、古参の社員が入れ替わるという意味においても、“結果で見る組織になる”という変化は必要なことではないでしょうか。

識学では、情は期間に比例し、会社に与える有益性に比例しないとことです。経営者は、そのことを頭に入れておかなければなりません。そもそも会社というのは、所属している全員が、会社を成長させるために集まっている組織体です。その点を意識してもらえればと思います。

高野
ありがとうございます。今回のセッションでは、マネジメントや組織について幅広くお話を伺いました。経営者の悩みにはさまざまなものがありますが、今回のお話をふまえて、ぜひ参考にしていただければ幸いです。みなさん、本日はありがとうございました。

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