公明正大に、大事なことは社長の口から伝える~ 組織拡大に潜む罠のすべて―株式会社SHIFT 代表取締役社長 丹下大

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■PROFILE
株式会社SHIFT 代表取締役社長 丹下大

1974年広島県に生まれる。2000年京都大学大学院 工学研究科機械物理工学修了。株式会社インクス(現 SOLIZE株式会社)に入社。たった3名のコンサルティング部門を、5年で50億、140人のコンサルティング部隊に成長させ、コンサルティング部門を牽引。2005年9月、コンサルティング部門マネージャーを経て、株式会社SHIFTを設立。代表取締役に就任。2014年11月に、東証マザーズ上場。海外展開も含め、更なる事業拡大を意欲的に進める。

― 2014年のマザーズ上場から、わずか4年で売上は20億円から125億円、従業員400名から2000名へと成長を遂げる株式会社SHIFTの成長の軌跡を追ってみた。

採用した上位メンバー40名が、9割以上活躍する組織づくり

組織拡大の前に、事業拡大の話からしますね。

先ほどお話しした通り、私たちはこの3年で売上も組織も急拡大してきました。その理由は、既存の巨大な市場に対して、新たな価値を創出することでシェアを一気に獲得してきたからです。

そうなると売上の伸長に伴い、1社あたりの取引高も大きくなります。
それ自体歓迎すべきことなのですが、同時に取引が終了するようなことが起きれば、一気に多額の売上を失うリスクがあるということも意味します。

実際、成長のプロセスの中には、残念ながら取引が終了となり、大きな売上機会の損失につながったこともありました。
しかし、(リスク回避には最大の注意を払いつつも)攻める姿勢を失うことは、私たちにとってもっと大きなリスクだと考えています。

攻める姿勢の一例として、SHIFTの特徴に「上位メンバー採用の成功と活躍」が挙げられます。
直近1年で40名以上の上位メンバーの採用を行い、しかも今までにないスキルセットを持った多様な幹部を招聘していますが、9割以上の方が活躍しています。

この理由は簡単です。多くの企業では、上位のメンバー採用の際にこれまでを支えてきてくれた既存の上位メンバーと新たに迎え入れた新規の上位メンバー(候補を含む)の間でハレーションが起きると聞きます。だから、上位メンバーが活躍できない。

しかしSHIFTではむしろ、新たに迎え入れた上位メンバーが新しい環境でも以前と同じようなパフォーマンスが出せるよう支援をすることが、既存の上位メンバーの重要な仕事だと定義し、考え方を浸透させています。

公明正大に、大事なことは社長の口から伝える

そうは言っても人間なので気持ちの整理がつかないことがあるかもしれません。しかし、当社の場合は、徹底して情報のディスクローズを行い、「大事なことは社長が自ら説明すること」で、このような考え方を浸透させています。

いつも意識していることは、「とにかく方針を明確にし、公明正大に、大事なことは僕の口から伝える。」ということです。

例えば、会社の成長に後れを取り始めた上位メンバーがいたとします。こういう場合、当社では功労賞や温情人事のようなことはしません。ハッキリと言うことが本当の優しさだと考え、社長自らが厳しく伝えています。それこそが最大の温情だと考えています。

あとは、組織が拡大するということは、価値観の多様な人が集うということです。僕はよく「町の運営」と例えていますが、住む人が増えることは新たに道を作ったり、家を建てたりするのと近しい感じです。

詳細はフォーラム当日に質問いただければお答えしますが、「少数精鋭で行くのか、それとも組織拡大をするのか?」によって、人事制度だけでなく、様々な領域で多様性を受容できる組織やそれを実現するためのルールを整える必要性があります。

ただ、その「整える過程」で、じつはたくさんの罠が潜んでいるのですが・・・(笑)。

>> 続きはBNGぶっちゃけ社長フォーラムにて

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